第10回日本炎症性腸疾患学会学術集会 会長 |
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この度、第10回日本炎症性腸疾患学会 (JSIBD) の会長を拝命し、渡辺守理事長をはじめ、会員の諸先生方に厚く御礼申し上げます。
2006年の日本炎症性腸疾患研究会に始まるJSIBDも今回が10回の節目となり、また外科医の会長も初めてのことで非常に名誉なことと感じております。
さて、本邦におけるIBDの患者数は増加の一途をたどっていることは御承知の通りですが、2002年の生物学的製剤の登場に始まる内科的治療の進歩は目を見張るものがあり、欧米に退けをとらない治療成績が多くの患者のQOL向上に寄与していることは確かなことであります。一方で治療に難渋する症例も少なくはなく、有用な治療法の選択肢が増えた今だからこそ原点に立ち返り、様々な角度からIBD診療のあるべき様を見つめ直す必要があるのではと考え「今あるべきやうわ」と問いかけを加えさせていただきました。「あるべきやうわ」は鎌倉時代の名僧明恵(みょうえ)上人が将来まで見据えた今の生き方を門弟に諭した言葉(明恵 夢を生きる:河合隼雄著)で、日常診療あるいは手術に際して医療者としてのあるべき態度に通じるものと考えます。人生のイベントの中での闘病を強いられる若いIBD患者の不安は計り知れないものがあり、個々の意思を尊重した共有の治療目標の下で患者と医療者が一体となって「あるべきやうわ」を探っていくことが、より良い治療法の選択ひいてはIBD診療の進化を導くものと思います。
現在、佐賀大学光学医療診療部 江崎幹宏准教授を委員長としたプログラム委員会と協議しながら、活発で実りのある学術集会になるよう鋭意準備を進めているところですが、より良いIBD診療を目指した多くの御発表を期待しております。11月は玄界灘の味覚、初冬の博多の街も楽しんでいただければ幸いです。多くの先生方にご参集いただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。