会長挨拶

第11回日本炎症性腸疾患学会学術集会 会長
 滋賀医科大学医学部 消化器内科 教授
安藤 朗

この度、日本炎症性腸疾患学会(JSIBD)第11回学術集会を2020年12月5日(土)にWeb開催させていただきます。当初、京都における通常開催を予定いたしましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の終息が予想できない状況下で先生方の感染予防を最優先と考えての決定であります。学術集会会長を担当させていただき、渡辺守理事長をはじめ会員の諸先生方に厚く御礼申し上げます。
 IBDの病因、病態は未だ本質的なことは明らかになっていません。免疫の活性化に繋がる遺伝的素因、食事や衛生環境などの環境因子が複雑に絡み合って発症、炎症の持続に至っていること考えられています。ただ、この数十年間における本邦のIBD患者数の急増を考えると、遺伝的素因に変化はないことから、IBDの発症に環境因子の変化が大きな役割をはたしていることは間違いありません。1980年代から2000年代にかけて動物モデルなどを使った基礎研究からIBDの発症にかかわる粘膜免疫の分子機構が次々と明らかにされました。そのころ研究室レベルで熱く討論されていた免疫応答に関わる多くの分子、例えば様々なサイトカイン(TNFα、IL-12/23)や細胞内シグナル伝達に関わる分子(JAK/STAT)などを標的とする薬剤が次々と実用化されて臨床の場に導入されていることはご存じの通りです。一方、環境因子の一つとしてここ10年ほどの間に腸内細菌研究が飛躍的に進みました。ただ、IBD班会議のプロジェクトとして糞便移植のUCに対する効果が検討されましたが限定的な結果しか得られなかったことは皆様もご存じと思います。
 患者数の増大に対応するIBD診療の底上げは緊急の課題です。それと同時に複雑化したIBD治療薬について、IBD専門家が基礎免疫学に関わる正確な知識を持ち続けることが薬剤の副作用を回避して最大の効果を発揮するために非常に重要です。今回の学術集会では、参加される先生方に免疫学に根ざしたIBD治療薬、診療の本質を知っていただきたくテーマを決めさせていただきました。世界をリードする日本のIBD研究、診療をより一層発展させるため、本学術集会が寄与することを祈念しております。

 


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